☆491年の日記☆

491年1日
どうしてかは知らないが、どうも今までの訓練方法じゃこれ以上はなかなか強くなれないらしい。
言われてみれば、昨日あれだけ訓練した割には、あんまり強くなった気がしないしな。

どうやら、スタミナは111で、そしてスピリットは113で振り切ったらしい。

とはいえ、オレの訓練はここからが勝負だ。
そう言うワケで今日は市場に行ってイムティとジャムを買い込んで来た。
目的はもちろんデヴォニアンの量産だ。

夜は中途半端に時間が余ったんでミダショルグとアイシャ湖で軽く汗を流す。
今年もいい年になりそうだぜ。

491年2日
今日は新年祭と仕事始めの日だが、その前に1つやることがある。
そう、オレも今年からDリーガーなんだから、ちゃんと試合の日程と対戦相手を調べておかなきゃな。

そんなワケで朝一でショルグに行って日程表をチェック。
どうやらオレの試合は3日昼、6日昼、7日朝、そして8日昼らしい。

正確な日程(含む相手)は以下の通り。
3日は第2試合(VSカナリア)
6日も第2試合(VSセーナ)
7日は第1試合(VSリーン・ベルフ)
8日は第2試合(VSサトシ)


と、そうこうしてると新年祭が始まったんだが、また見慣れない女の人がいるんだよな。
もしやと思って話しかけてみたら、やっぱり移住者だったらしい。
名前はサッチ・オーノ。
どうやら、また新しいライバルが増えたみたいだな。

そう言う解釈しかできんのかい。

んで、新年祭の次は仕事始め。
ウルグ長によると、ガアチの上位5位までにはショルグ長をやってる人が2人もいるらしい。
やっぱり、普段からカナヅチやら何やらを振り回して力仕事をしてる分、腕っ節の強いのが多いってことなのかもな。

その後はコークショルグに戻って深夜まで訓練。
何たって明日は初めての試合だから、ビシッと決めないとな。

491年3日
さぁ、いよいよオレの最初の試合の日だ。
と言ってもオレの試合は昼からなんで、朝はウォーミングアップも兼ねてバスの浜でダッシュ。
その後一旦休んでからコーク闘技場に行くと、ちょうどセーナさんとサトシの試合が終わるところだった。
ちなみに得点を見るとセーナさんの圧勝。
サトシの方はどうでも良さそうだが、セーナさんは要警戒かもな。

そして昼からはいよいよオレの最初の試合、相手は同期の移住者のカナリアだ。
初めて上がった闘技場のステージ。
そこからすっと客席を見ると……リーンさんが何故かこっちの応援に来てくれてたが、結局客はそれだけらしい。
しかし何故リーンさん……さては敵情視察か?
まぁいい、何であろうとやるだけだっ1

開始直後にカウンター気味に必殺のブレイズソードをたたき込む。
これでカナリアがひるんだ隙にブレイズソードの連発で畳みかけ……たところで相手の反撃が来たが、これもオレの作戦のうちだ。
大技に移ろうとしたその一瞬の隙にもう一発ブレイズソードをブチ当ててダウンを奪い、オレは見事初戦をKOで飾った。
ちなみに得点は255対83、まぁまぁってとこだな。

491年4日
さて、今日はオレの試合はないが、オレが今年当たる相手全員の試合がある。
となりゃ、当然敵情視察に行くしかないだろう。
もちろん、途中の時間はコークショルグで訓練すればムダにはならねぇ。
……くうっ、どうしてオレってこんなに頭が回るんだろうな?

言ってろ。

最初はリーンさんとセーナさんの試合。
セーナさんの方は前の試合でだいたいわかってるが、どうもリーンさんの方も相当レベルが高いようだし、見ておく価値はある。
……と思ったんだが、なんとセーナさんが来なかったためリーンさんの不戦勝になっちまった。
恐らく、葬式があったんでそっちに行ったんだろうけど……こりゃ、予定が狂ったな。

まぁ、こうなっちまった以上はしょうがないんで、とりあえず予定通りしばらくコークショルグで訓練。

そして昼からのカナリアとサトシの試合……は、正直カナリアとはもう戦ってるし、サトシの方は大したことなさそうだしで見に行くかどうか迷ったんだが、見に行ってみて正解だったな。
サトシ、前はスコアだけ見て大したことなさそうだと思ってたんだが、なかなかどうしてやるモンじゃねぇか。
ブレイズソード狙いのカナリアに対して、エアスラッシュの連発で圧倒。
終わってみたら大差で勝ってやがった。

こりゃ、こいつも要警戒だな……。

491年5日
試合の合間の休日、とくれば一日中修行っきゃないだろう。
切り札のブレイズソードの威力を上げるためにも、コークショルグ、アイシャ湖、バスの浜とスピード中心のメニューを組む。

んで、とりあえず一日ずっとそうやって訓練して、それから家に帰ったワケなんだが。
その後、カナリアがたずねてきたんだよなぁ。
特に用はないようだったけど、一体何だったんだ……?

491年6日
さて、今日は昼からオレの試合だが、その前の試合はリーンさんの戦術とかを見られる最後のチャンスだ。
というわけで、当然観戦に行ったんだが……サトシのヤツ、なんだか知らないが妙に人気があるんだよなぁ。
大して強いわけでもないのに……不思議なこともあるモンだ。

で、試合の方だが。
剣術しか使えないサトシに対してリーンさんは火風導法を連発。
人気と実力は比例しない、ってことを露骨に示す試合となった、ってワケだ。

そして夕方からはセーナさんと試合。
今回も見に来てくれたのはリーンさんだけで、さっきの試合とはえらい違いだ。
……と、そんなことに憮然としているうちに試合が始まって、無警戒のままエアスラッシュを数発立て続けにくらっちまった。
別にさほど痛くはないんだが……まだまだ甘いな、オレも。
ちなみに試合の方はその後オレが魔術の連射で一気に押し返して154対46で圧勝。
できればKOしたかったんだが、過ぎたことをグチグチ言ってもしょうがない。
それよりも、明日の試合のことを考えないとな。

……そんなワケでデヴォニアンを持ち出して徹夜でトレーニング。
もちろん疲れたまま試合に臨むわけにゃあいかねぇから、ちゃんと頃合いを見て打ちきったけどな。

491年7日
さて、今日の朝は恐らくDリーグでもっとも要注意な相手であるリーンさんとの試合だ。
昨日の徹夜トレーニングの疲れは温泉でばっちり回復してあるから、トレーニングの成果は残ってるが疲労は少しも残っちゃいない。
観客はいつもよりもだいぶ多めの3人。そのうち向こうの応援が2人なのが気になるっちゃ気になるが、それより気になるのがリーンさんの戦法だ。
この人、剣術はもちろん魔法や体術もそれなりに使える。
つまり、どれもこれも同じくらい得意なんで何をしてくるかてんで読めない、ってワケだ。
……しかし、一応コークショルグだし、どれかといえば剣術が一番得意らしいし……ええい、ままよ!

そして試合が始まる。
向こうはまんべんなく技を出してくるし、こっちの攻撃も魔術中心に結構入ってる。
このまま行けば6:4でこっち有利か……と、思ったその時。
いきなりステップブロウでぶん殴られて、そこからは情けないことにほとんどサンドバッグ状態。
終わってみれば96対150で、ほとんど惜しくすらない惨敗っぷりだ。
その上、今日でリーンさんはここまで3戦全勝。
最後の相手はあのカナリアだから、恐らく全勝でリーグ戦を終えるだろう。
DリーグからCリーグに上がれるのは原則1人……となると、今年の昇進はかなり厳しくなってきたな。

……まぁ、そんなことを考えててもしょうがねぇ。
とりあえずオレは明日もまだ試合が残ってる、まずはそれに勝つことだ。

491年8日
今日も昨日の夜からデヴォニアンを飲んで徹夜トレ。
一応温泉に入って朝までに疲れはとっておいたが、試合がある昼まではまだ時間があるんでウォーミングアップも兼ねて軽く砂浜を走る。

闘技場に着いたときには、ちょうどカナリアとリーンさんの試合が終わったところだった。
結果の方は言うまでもなくリーンさんの圧勝。
ともあれ、これでリーンさんの全勝Dリーグ1位が確定した、ってワケだ。

とはいえ、1つでも上を目指すためにも、今日の試合に負けられないのは変わりねぇ。
今日の相手は人気者のサトシ、アイツの人気のせいか観客は全部で5人もいたが、なぜかカナリアだけがオレの方を応援してくれていた。

そして試合の方はというと、開始直後からほとんどオレが一方的に魔術を連発し、サトシがそれを片っ端から受け流す、まるでスパーリングみたいな感じで進んだ。
サトシの防御が思ったよりもうまかったんで大したダメージは与えられなかったが、それでも30対82で余裕の判定勝ち。

とりあえず、オレの最初のリーグ戦は3勝1敗の2位で幕を閉じたワケだ。
正直満足のいく結果じゃないが、まぁ、最低限次につながる戦いは出来ただろう。

491年9日
さて、今年のリーグ戦は昨日で終わったが、次の戦いはもうすでに始まってる。
今年の昇進はほぼ絶望的になったが、だからこそ来年確実に昇進できるように頑張らなきゃならねぇ。
そんなワケで早速湖までスタミナの訓練に行く。
そしたら、ちょうど湖を上がったところにマジックゲインが落ちていた。
これもきっとオレの心がけがいいからだろう、ってことで遠慮なくもらっていくぜ。

その帰り、ティモシーさんって人に話し掛けられたんだが、この人、Aリーガーなのにレベルが全部2ケタ……おいおい、この国にレベル3ケタのヤツっていねぇのか!?

491年10日
今日も朝はアイシャ湖で、そして昼はバスの浜で訓練、訓練だ。

んで。
夕方に一旦家に帰って一休みしてると、ちょうどマイラが訪ねてきてさ。
明日、遊びに行かないか、って、誘いに来てくれたみたいなんだよな。
これって……やっぱり、デートの誘い、ってヤツだよな?

……で。
マイラには悪いんだけど、断らせてもらった。
なんつーか、その……まだ、そういうことって考えられねぇんだよな。
今は強くなることでいっぱいいっぱいで、それ以外のことにまで手が回らねぇし。

491年11日
今日は気分を変えてコークショルグとジマショルグで訓練。
その帰りに広場でワパヌヌを拾ったんで、一休みしてから湖に行ってさらに一泳ぎしてきた。

そして夜はバスの浜でダッシュ……しようと思ったら、なんと当たりギブルが2枚も落ちてるじゃねぇか。
早速拾って換金に行ったんだが、今回は倍率が低いらしく、240プゥにしかならなかった。
……ま、これでも十分といえば十分か。

491年12日
今日はオレの誕生日だ。
……とはいえ、特に特別なこともなく、1日ミダショルグで訓練して過ごした。

そういや、帰りにヴィチを2つ拾った。
とりあえず、明日納品してくるか。

491年13日
朝一番でリムウルグにヴィチを納品……とかやってたら、それどころじゃねぇことになってやがった。

どうやら、議長さんが危篤になったらしい。
国民全員が見舞いに行ってるようでとんでもない混雑になってるが、オレもいかねぇワケにゃいかねぇだろうってんで、一応見舞いには行っておく。

その後はジマショルグと湖で主にスタミナを訓練。
あんまり強くなってる気はしねぇが……ん〜。

491年14日
どうやら議長さんが亡くなったらしい。
一応葬式に行ってはみたが、やっぱり全国民が参列してるみたいでものすげぇ混雑だったな。
それでもきちんと整列している辺り、さすがっちゃさすがなのかも知れねぇが……。

491年15日
今日は年に1度のウルグ祭だ。
去年はいろいろあって行けなかったんで、オレにとっちゃ初めてのウルグ祭ってことになる。

まずはリムウルグに行ってみたんだが、どうもここでは性格判断をやってるらしい。
んで、せっかくだからお願いしてみたんだが、「冷たい人だ」って言われちまった。
オレは自分では冷たいってよりむしろ「熱い」つもりなんだが……ん〜?

で、次はバハウルグだ。
ここはおみくじをやってるってことだが、本当に当たるんだろうな?
……ってことで一応頼んでみたんだが、どうも「ラッキーアイテムは心のくま」らしい。
心のくまを買う金はないから、こりゃ確認のしようがねぇか。

そして最後はガアチウルグ。
ここでは姓名判断をやってるらしい。
まぁオレの名前なんて判断するまでもなくわかりそうなモンだが、これも一応頼んではみた。
そしたら……「異性運があまりよろしくない」だとさ。
はははは……ほっとけっ!!

491年16日
今日はなんとなく気が向いたんで、1年ぶりくらいに仕事をしてみる。
……で、やっぱり人の半分以下の速度でまったくはかどらねぇんですぐやめた。

あげく、何故か通りがかったセルジオさんに最近いいことがねぇとかなんとか愚痴られちまった。参るぜ。

んで、その後、久々にウォルターに会ったんで、何やってんのか聞いてみたら、「誰かいい人いないかと思って……」とかいう返事が返ってきやがった。

で、ヤツはそういいながらライトさんの家に入っていったんだが……。
表札を見る限り、ここって夫婦と赤ちゃんだけしか住んでねぇハズなんだが……。

で、まさかと思って中に入ってみると、アイツ、なんと赤ちゃんに話し掛けてやがった……これは、一体どう解釈したらいいんだ?

ちなみに赤ちゃんの名前はメガエラで、一応女の子。
家を出たあと再度ウォルターに話しかけてみると「湖でスタミナを〜」になっていたので、どうやら彼女に話しかけたことで目的は達したものと思われる(!?)

491年17日
どうも訓練の方はこれ以上続けてもあまり成果があがらなさそうなので、気分転換の意味も兼ねてバハウルグやリムウルグでバイトに励むことにする。

正直あんまり儲からねぇが、まぁ仕事よりはマシかも、ってとこだろう。

……と、それくらいにしか思ってなかったんだが。
帰りに広場の掲示版を見ると、所持金811プゥでなんと長者番付3位になっちまったらしい。

……一体、この国はどうなってやがんだ?

ちなみに1位は5077プゥ、2位は2183プゥ。

491年18日
なんつーか。
これ以上訓練しても、あんまり成果はあがらなさそうだし。
仕事しても、時間かかるばっかりで全然うまくいかねぇし。
かといって、ただひたすらバイト、ってのも、なんか味気ねぇし。

……つまり、前はいっぱいいっぱいだったけど、だんだん時間にゆとりができた、ってーか、有り体に言えば時間が余り始めたんだよな。

で。

ウォルターの真似ってワケでもないが、オレも彼女が欲しいなぁ、と思ってな。
しばらく、町の中をうろついてみたんだが。

なんか、「この人は!」って人が全然見つからねぇんだよな。
ハッキリ言って、美人は既婚者と子供ばっかり。

……やれやれ、うまくいかねぇなぁ……。

491年19日
今日はリムウルグでバイトをしてみる。
しかしいつも思うんだが、ここってどうしてこんなに足場が悪いんだ?
このオレともあろう者が何度も何度もすっ転んじまうなんて……。

そんなワケでバイトはそうそうに切り上げて、イム争奪戦を見に行くことにした。
今日はうちのショルグ長のカールさんが出るんで、もちろんそっちを応援だ。

でも、カールさん、いきなり開始直後にコールドランスを2発くらって負けちまったんだよな。

……まさか、オレが疫病神なのか?

491年20日
去年同様砂浜で卵を肴に虫見酒。
走りに来た連中の落っことしたロン酒やカボイ根、イムティまで回収できたんで、収支は大きくプラスだ。

さて、これでオレの不運もすっ飛んだかな。

491年21日
今日もやることがないんでリムでバイト。
今回は全然転ぶこともなく、作業の方も快調そのもの。
気がつきゃいつのまにか所持金が1000プゥを越えて、懐もだいぶ暖かくなってきたようだ。

491年22日
とりあえず当座の資金は出来たんで、久しぶりに将来に向けて仕事をしてみる。
そしてあまりのはかどらなさに嫌気がさして1回でやめる。
これもまぁ、お約束ってヤツだな、うん。

で、その帰り、何故かタラータさんに茶がゆをもらった。
別にもらう理由はないんだが、断る理由もないんで遠慮なくもらっておく。

この国にはタラータさんとリーンさんが2人ずついて紛らわしいことこの上ない。
ただ、タラータさんの方は年齢差の都合上チビキャラの時点で判別できるのでまだマシと言えよう。
ちなみに今回茶がゆをくれたのは年上の方のタラータさん。


んで、その後はいつも通りリムでバイト。
他にやることもねぇワケだしな。

491年23日
数日ぶりにウォルターに会う。
テメェ訓練もしねぇで何やってやがんだ、と思ったら、「セレスさんをデートに誘いに行くんだ」とのこと。

しかしセレスさんってぇともう16歳の上にいまだに外ランク、おまけに性格は「ろくでなし」だったはず……一体どこがいいんだ?

そんなことを考えながらウォルターについて行ってみたが、ガアチの火床まで来ても結局会えずじまいだったんで、あきらめたらしい。

で、「今度こそ訓練するよな?」と言ってみたんだが……。
「いや、他に誰かいい人いないか探してみるよ」って、おい。
ひょっとしてひょっとすると、テメェ、誰でもいいのか……?

そんなこんなでウォルターと別れ、午後はコークショルグへショルグ長の試合を見に。
ショルグ長の試合だってのに客はカナリアとリーンさんの2人しかいねぇし、しかもどっちも相手のティモシーさんの応援ときた。
なんだか寒い状況だががんばれショルグ長、オレが応援するぜ!

そのオレの声援が届いたのか、序盤から攻めて攻めて攻めまくるショルグ長。
年甲斐もなくそんなことしたんで当然中盤にはバテバテになり、あとはただめった打ちにあうのみ。
結局ティモシーさんに逆転され、ショルグ長なのに0勝2敗になっちまった。
……まさか、オレが応援すると負けるのか?

で、その帰り。
ショルグ長の娘さんのリーンさん(今日ティモシーさんを応援してたリーンさんとは別人だぜ、念のため)に会ったんだが、なんだか嬉しそうにしてるんでつい何があったのか聞いちまったんだよな。
そしたら……「こんど、ウォルターとデートするんだ」って……おい!!

491年24日
先日特につきあいたい相手がいないとは書いたが、やっぱりウォルターのヤツに先を越されるのはシャクだ。
っつーワケで、今日は水飲み場の影にて張り込み。
しかしなかなかすぐにはウォルターもリーンさんも現れねぇ。
なにやってんのかなぁ、と思ってたら……。
「バーニングくん、そんなところに隠れて何やってるのかなー?」
でげっ!!
……って、タラさんかよ。おどかすなよな、ったく。

と、そうこうしているうちにウォルターが到着。
早速デートに出発……って、なんであいつマイラとデートに行ってるんだよ!?
どういうことか確かめるには、こりゃもう追いかけるしかねぇよな。
ってなわけで、オレは二人の後を追いかけたワケだ。

タラの港についた二人は完全にラブラブモード全開。
あんまり近くには行かなかったんで何話してたのかまではよく聞き取れなかったが、楽しそうに話しながら帰っていったところを見るとうまくいってるんだろうな。
ちっ、うらやましい……じゃなくて、リーンさんはどうするんだよ!?

ハートマーク浮かべて帰っていったし、二人とも音符出てたから、多分告白成功だったんでしょうなぁ。

オレが大通りに戻ると、いつの間にかリーンさんが来ていた。
どうも、午前中は試合だったらしく、肝心の現場は見ていないみたいだ。
で、オレ、見てられなくて、ちょっとリーンさんに話しかけてみたんだよな。

そしたらさ。
「ウォルターを待ってるんだけど、バーニングくん知らない?」
あぁ、さっきマイラとデートしてました……なんて、言えるワケねぇだろ!!

その後もずっとリーンさんは待っていた。
でも、当然ウォルターの奴は来なかった。
そして夕方3の刻、ついにリーンさんは諦めて帰っちまった。

ところが、話はまだ終わりじゃねぇ。
なんか気が重いんで、神様にチク……じゃない、懺悔でもしようかなぁと思って神殿の方に行ったら、神殿前にウォルターのヤツがいやがったんだよ。
なんか急いでたから広場に行くのかと思って後をつけたら、突然大通り北で西にターン。
オレが何とか追いついたときには、もう市場前だったな。

「テメェ、こんなところで何やってやがる?」
怒りを押し殺しながらオレが聞いたら、アイツ、なんて答えたと思う?
「何って、買い物に行くところだが。何か問題でも?」
悪びれもせずに、こう言いやがった。

で、だ。
オレは、アイツを、殴った。

隣に立って×ボタン連打。
実際には何の効果もないのがとても空しい。


もうライバルがどうとかいう問題じゃなく、純粋に、ヒトとして許せなかったからだ。

確かに、他にも方法はあったと思う。
けど、オレは今でも正しいことをしたと思ってる。

「い、いきなり何をするんだ!?」
自分が何をしたかすらわかってねぇような顔で、アイツはオレに言った。
殴られる理由なんかないじゃないか、そう言ってるような顔だった。
「テメェの胸に聞いてみろよ」
オレはそれだけ言って、その場を立ち去った。
何発殴っても殴り足りなかった様な気もするが、その時には正直殴る気も失せていたからな。

そして真夜中。
まさかと思いながら大通り南に行ったら、リーンさんはまたそこに戻ってきていた。
「途中で一旦帰っちゃったから、入れ違いにでもなったのかなぁ」
違う、アイツは来なかったんだ。他の女とデートしてやがったんだよ。
でも、オレが言わなくても、きっとリーンさんはそのくらい気づいてたんだよな。

491年25日
不幸なことは続くって、よく言うよな。
でも、オレは別にそんなこたぁねぇって思ってた。
けど、それは間違いだったんだ。

うちのショルグ長で、隣に住んでるカールさんが危篤になった。
そう、リーンさんの父親の、カールさんが、だ。

なんだか放っておけなくて、オレはずっとカールさんの側にいた。
みんなが見舞いに来た。マイラもだ。でもアイツは来なかった。
リーンさんは、ずっと落ち着かない様子で家を出たり、戻ってきたりを繰り返していた。

そして、見舞客も途絶えた真夜中。
リーンさんが、突然どこかへ出かけていった。
俺もよっぽど追いかけようかと思ったが、カールさんが気になったので行かなかった。

そしたら、カールさんがオレの顔を見てこう言ったんだよ。
「どうして、もう何年か早く生まれてくれなかったんだ?」
「なんスか、それ」
オレが聞き返したら、カールさんは寂しそうに笑ってこう言ったさ。
「そうすれば、キミに娘のことを頼めたかも知れないのに」

オレは、それ以上何も答えられなかった。

491年26日
結局、カールさんは明け方に息を引きとった。

葬式が行われ、すごい人数の人が参列したが、やっぱりアイツの姿はなかった。

で。
葬儀の終わった後、オレは神殿に残って祈った。
いや、祈ったというより、神様に文句を言った、の方が正確だな。

「アンタ、なんでこんなむごいことすんだよ」ってな。

491年27日
この日は特にすることもなかったんで、辺りをぶらぶらした後、ほんの少しだけリムでバイトをした。

で、帰ってきたときにふと隣の家を見ると、マチダって書かれた新しい表札があってさ。
ショルグ長が死んだら、次のショルグ長が任命される。
だから、前のショルグ長の家族はすぐに引っ越さなきゃならねぇ。
わかっちゃいたんだが、やっぱり何か寂しいものがあるよな。

491年28日
午前中は暇つぶしに評議会納会を見学。
議長は死んでるってのに、議題はその議長の信任投票。
当然、全員が×を出して不信任ってことになった。
確かにいつまでも死人に議長をやらせておくわけにもいかねぇし、あくまで形式的なものだってのはわかってるんだけど、それでもこんな「死んだ人間を不信任にする」なんて死者にむち打つような真似をする必要があるのかどうかは疑問だな。

で、午後は仕事納め。
ろくに仕事してない人間が仕事納めだけ行くってのも変な話だが、他にやることもねぇしな。
ちなみに今年の仕事ポイントは24点、去年より1点増えたぜ。

491年29日
ウルグ長選挙。
うちは相変わらずショルグ長が多い関係で5位のヤツとかが選挙に出てる。
で、せっかくだからその5位のジャムってヤツに投票した。
理由はそいつが一番若かったから、何かやってくれるんじゃねぇかって思ってな。

結局、落選したみたいだったけど。

491年30日
今日はいよいよ給料日、給料はなんと177プゥ……って、なんで去年より減ってんだよっ!

とはいえ、ウルグ内で下から2番目で、国全体でも下から3番目では、文句は言えまい。

同時に来年のショルグのランク分けも発表になったが、案の定オレはあの1敗が響いてコークショルグDリーグ1位止まり。
そういやウォルターのヤツがようやく外2まで上がってきてやがったから、アイツも再来年はDリーグか?
そうなると、なんとしてでも来年でCリーグ昇格を決めないとな。

それから、忘れちゃいけない議長選。
オレは特に入れる相手もいないんでうちのウルグ長のアーロに入れたんだが、結局リムウルグ長のダラーが当選したみたいだ。

そういや、この人イム争奪戦も勝ってたしなぁ ……。


<奮戦記Menuへ> <カイモドキMenuへ>