ラウド「あの、ちょっといいですか?」
シャウト「ん? 見かけない顔だな。ひょっとして移住者の人かい?」
ラウド「ええ、今日この国にやってきました」
シャウト「そうか。オレはシャウトってんだ、わからないことがあったら何でも聞いてくれよ」
ラウド「あ、それじゃ、早速一つ聞いていいですか?」
シャウト「おうよ」
ラウド「私の名前は何でしょう?」
シャウト「知らねぇよ! ってーか、とりあえず名前くらい名乗れよ!!」
ラウド「人に名前を聞くときは自分から名乗るのが礼儀でしょう!」
シャウト「名乗ったろうがよ! ついさっき!! 聞いてなかったのかよ!!!」
ラウド「失礼な! ちゃんと聞いてましたよ!」
シャウト「ほう? じゃ、オレの名前言ってみろよ」
ラウド「聞いたけど忘れましたよ!!」
シャウト「余計悪いだろうが!!」
ラウド「というわけで、そんなボクですけど仲良くして下さいね!」
シャウト「あんまりお近づきになりたくないけど……まあ、とりあえずよろしくな」
ラウド「それじゃ、しばらくの間ご厄介になります」
シャウト「帰れよ! 自分の家によ!!」
ラウド「え、でもボクまだこの国に来たばっかりで……」
シャウト「この国ではちゃんと移住者にも家が支給されんだよ」
ラウド「なるほど、そうなんですか。で、ボクの家はどこなんですか?」
シャウト「教わって来たろうがよ! 入国するときに!!」
ラウド「そんな昔のコト、ボクが覚えているワケないでしょう?」
シャウト「威張って言うなよ!!」
ラウド「……わかりました。後で自分で探してみます」
シャウト「ああ、そうしろよ」
ラウド「あ、その前に一度ご挨拶してきたいんですけど、王様ってどこにいるんですか?」
シャウト「王様? 議長じゃなくて?」
ラウド「え? ここってオルルド王国じゃ……?」
シャウト「そんな基本的なトコから間違ってたんかい!!」