☆実験! 不倫デートは1日に何回可能か!?☆
☆発端 〜恋と仕事に生きる漢〜 ☆

「ていくあうとカイモドキ」にある「ラインハルト・オルルド」のパスワードはもうお試しになられただろうか?
実は彼には致命的な欠陥がある。そう、「コークの翼」などの「才能」はあっても武術に関する「素質」がないのである。
レベルを1つあげるのにもとんでもない経験値を要し、しかも成長限界が致命的なまでに低いためにいつまで訓練しても外リーグ脱出の見込みはほぼゼロ。
そこで彼はある一つの決心をした。
「訓練はやめよう。武術は捨てよう」と。

だが……その時彼は気づいてしまったのだ。彼の「才能」を違った方向に活用することが出来ると言うことに。

そして時は流れ、11歳にしてすでにバハウルグ2位(ちなみに1位は議長)でウルグ長の座を手にしていたラインハルト・オルルドは、カナリアという妻と長男ヴィルヘルム、次男ユーウェインという二人の息子がいるにも関わらず、不特定多数の女性とデートを繰り返していた。
早朝まだ暗いうち(日付が変わってすぐ)から家を出て仕事場に向かい、朝一で納品を済ませるとあとは日に3、4回、多いときは5回も大通り南とフーコー温泉を往復する日々を送っていた。

そんなある日のことである。
「一体一日に何回までデートをすることができるのか?」
最初は本当に些細な疑問であった。
それは答えを知り得ぬ謎の一つであり、浮かんでは消えるそんな下らない疑問の一つであるはずだった。
しかし、彼は気づいてしまった。
この謎を解くに足る力(魅力?)が、自分にはあると。
そう考えた彼は早速行動を開始した。

☆前日 〜準備のしすぎということはない〜 ☆

彼にとって最初の問題は、「一体いくつまでデートの約束をすることが出来るか」ということであった。
彼の友人欄6つは当然のごとく未婚女性&未亡人で埋まっているので、6人までは自分から誘うことが出来るが、すでに6重デートは十二分に可能であることがその時にはすでに証明されていた。

となれば、だ。
昼間のうちにあちこちにいる友人(?)全員と約束をし、急いで家に戻って夜中にやってくる「友人欄に入りきらない相手」からの誘いを片っ端から受ければいいのではないだろうか。
幸い今日(10日)は休日、予定は全くない。
彼は早速行動を開始し、なんと11人もの相手とデートの約束をすることに成功。
こうして作戦の第1ステップは大成功に終わったのであった。

☆当日・朝 〜シグナルはブルーに変わった〜 ☆

11日、朝1の刻。
ラインハルトはまだ暗いうちに大通り南に来ており、最初の相手の到着を今や遅しと待っていた。
そこへ最初にやってきたのはビーグラ。
ラインハルトは早速彼女を呼び止め、彼女に話しかけた。
「フーコー温泉行こうよ」
早速出発する二人。だがそこにベレッタがピッタリのタイミングで現れ、二人(と言うかラインハルト)を呼び止めたのである。
さすがに彼女も状況を察したのか、「どう、最近?」としか言ってこなかったが……見事なタイムロスである。

朝1の刻半。
二人はようやっとフーコー温泉に到着した。
そこでビーグラと分かれるや否や、ラインハルトは猛ダッシュで大通り南へと向かった。

朝2の刻。
大通り南にたどり着いたラインハルトは、すぐに大声で辺りにいる人々を呼び止めた。
実はこれは彼の作戦であった。
可能な限り多くの相手を呼び止めることによって一度に寄ってくる相手の数を減らし、先ほどのベレッタの時のような形でのタイムロスを減らそうと言う作戦だったのだ。
しかし、彼が呼び止めることが出来たデート相手はわずか2人。その次の瞬間、何と5人がいっぺんに彼の方に向かってきたのである。これでは作戦は失敗と言わざるを得ない。
そして今回真っ先にラインハルトの元にたどり着いたのはガリソン。
早速彼女と二人で温泉に向かおうとするラインハルトだが、そうは問屋が降ろすはずもなく、残った4人(レベッカ、アンジェラ、マイラ、グロリア)に呼び止められて大幅なタイムロスをした上、そのタイムロスの間に彼に気づいたリセにも追いかけられ、なんとか大通り南は抜け出したものの港通り東で捕まってしまった。

朝2の刻半。
なんとか温泉に到着、またも別れるや否や猛ダッシュで戻ろうとする。
ところがそんな彼が見たものはなぜか途中までついてきていたグロリアであった。
さらにまだ大通り南にいなかったマユコと湖前でばったり遭遇して呼び止められ、ますます余計なタイムロスを招いてしまった。

朝3の刻。
なんとか大通り南へ帰り着き、再び辺りの人々を呼び止める。
しかし今回も止まってくれた人々のうちデート相手はわずかに2人。
その直後にいきなり4人に逆に呼び止められたのだから今回もまたこの作戦は失敗である。
一番に彼の元にたどり着いたパメラとデートに出発するがやはり残った3人(ベレッタ、アンジェラ、レベッカ)に呼び止められ、さらにまたしても港通り東でリセに捕まってしまった。

朝3の刻半。
なんとかフーコー温泉に到着した二人。
しかしラインハルトには休んでいるヒマなどない。
彼は再び急いで大通り南へと向かう。

朝4の刻。
大通り南にて三度周囲の人々を呼び止めるラインハルト。
今回もやはり足止めできたのはわずかに2人。
だが、今回彼の元に駆け寄ってきたのはアンジェラとグロリアの姉妹だけだったのだ。
「これはタイムロスが少なくてすむかも知れない」
ラインハルトは一瞬そう思ったが、その考えは甘すぎた。
彼はグロリアに呼び止められただけでなく、レベッカ、マユコ、ベレッタに呼び止められてしまった。
しかも、今回の悲劇はこれで終わってはいなかったのである。

☆当日・昼 〜止められる前に止めろ〜 ☆

昼0の刻半。
ラインハルトの今回のデート相手、アンジェラがまず目指した先は……何と大通り南の水飲み場であった。
その途中、ラインハルトはセシルに呼び止められた上、さらにグロリアにまでもう1回呼び止められてしまった。
さらに、やはり今回も港通り東でリセにつかまり、今回のタイムロスは今までの比ではなくなってしまった。
しかしなんとか昼1の刻になる前にはフーコー温泉に到着し、ラインハルトは急いでまた大通り南を目指した。

昼1の刻。
大通り南に戻ったラインハルトはやはり今回もダメモトで叫んだ。
しかし今回も止まってくれたのは2人。このころになると彼もこの作戦は「やらないよりマシ」程度の効果しかないことはすでに百も承知であったが、それでも「やらないよりはマシ」である以上、やるしかないのだ。
そして、それに対して彼の元に駆け寄ってきた相手はなんと5人。
そのうち最初にやってきたグロリアとデートすることになったが、当然のごとくその直後にマイラとベレッタにつかまり、その上彼を呼び止めた後で一旦水飲み場に向かっていたマユコには港通り東でつかまってしまった。
なんとかセシルだけはかわすことができたのだが、かなり痛いタイムロスであることに変わりはない。
その分を取り戻すべく、今回も温泉についた直後にラインハルトは大通り南へ向かって駆けだした。

昼2の刻。
大通り南に帰り着いたラインハルトは今回も叫んでみたが、何と今回は完全なスカ。1人も呼び止めることが出来なかったのである。
しかし幸いなことにかなり東側の方にいたマユコが即座に彼を大通り南から連れだしてくれたため、タイムロスは港通りでレベッカとベレッタにつかまった分だけにとどめることができた。

昼2の刻半。
またも温泉にやってきたラインハルト。
しかし温泉に浸かっている時間よりも走り回っている時間の方が長いような状況では疲れがとれるはずもない。
疲労困憊した状態のまま温泉を飛び出したラインハルトの視界に、温泉前に置き忘れられたパン(種類不明)の姿が飛び込んできた。
これぞ天の助けとばかりにそのパンに飛びつき、体力を補給したラインハルトは、己の記録をさらに更新すべく大通り南へと向かった。

昼3の刻。
七度大通り南に足を踏み入れたラインハルト。
今回も彼は一応叫んでみたが、呼び止めることが出来たのはたったの一人。
今回も東端のいい位置にいたベレッタとともに大通り南を早急に脱出したが、セシルとレベッカには港通り東にて追いつかれてしまった。

昼3の刻半。
温泉前までやってきたラインハルトだが、なんとそこで妻・カナリアを発見。今回初のニアミスである。
ここで気づかれてしまえば呼び止められてタイムロスの上、帰宅後の「キライ」攻撃を受けることがほぼ確定してしまうのだが……どうやら彼女はラインハルトには気づかなかったようである。
ほっと胸をなで下ろしつつ、ラインハルトは温泉に向かった。
もちろんそのすぐ後に飛び出してきたことは言うまでもないが。

昼4の刻。
なんとか窮地を脱し、大通り南へ帰り着いたラインハルト。
ピンチの後にはチャンスありとはよく言ったもので、何と今回は最初の呼び止めで3人もの相手を止めることに成功。
唯一呼び止めることが出来なかったリセと二人でフーコー温泉に向かうことになった。
「今回こそタイムロスはなしか……」
ラインハルトがこう考えたとしても無理はあるまい。
しかし世の中好事魔多しとも言う。
順調に温泉前まで来たラインハルトだったが、そこで朝にデートを済ませたはずのマユコに呼び止められてしまい、結局タイムロスゼロはならなかった。

☆当日・夜 〜日付が変わるまでが作戦である〜 ☆

夜0の刻半。
なんとかフーコー温泉に到着したラインハルトは「恐らく次が最後だ」と考えて温泉を飛び出し……たとたんになぜかまだ温泉前で待ち伏せしていたパメラに呼び止められ、明日のデートのお誘いを受けてしまう。
タイムロスは痛いもののお誘い自体は喜んで受け、ラインハルトは再び大通り南へと駆け出した。

夜1の刻。
大通り南に到着したラインハルトは今回もまた叫ぼうとしたが、その前にたまたまちょうどいい位置にいたセシルとレベッカに呼び止められ、そのままセシルとデートすることに。
もちろんその後にはレベッカに再度呼び止められてタイムをロスしてしまうが、これくらいは許容範囲である。

夜1の刻半。
もはや人通りもほとんどない通りを抜けてフーコー温泉にたどり着いたラインハルトはさらなる記録に挑戦するためもう一度だけ大通り南へ戻ることにした。

夜2の刻。
なんとか大通り南へたどり着いたラインハルト。
すでにそこにはレベッカの姿はなく、マイラだけが彼のことを待っていた。
今度は途中で誰に呼び止められることもなく、今日10回目のデートにして初めて「安心してデートができる」と彼は思った。

二人がフーコー温泉にたどり着いたのは夜2の刻半。すでに日付は変わっていた。

☆まとめと後日譚 〜懲りない人々〜 ☆

……と、このようにして1日に10人もの相手とのデート(しかも不倫)を行うことに成功したラインハルトであったが、何と彼はこの記録にまだ満足していなかった。
「このタイムロスはなんとかして減らすことが出来る」そう彼は言うのだ。
「一部の人がデートよりも試合もしくは葬儀などを優先するような場合、タイムロスはもっと少なくて済む」
そう考えた彼は、今でも人気のある人の試合がある日や人気のある人が死亡した日などに再挑戦しようと考えているが、今のところその機会は巡ってきていない。


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